Access超入門
コントロール
作成日:2016/4/14

ページ内目次

  1. 概要
  2. よく使用する(一般的な)プロパティ
  3. コントロールソースの違いによる種類
    1. 連結コントロール
    2. 非連結コントロール
    3. 演算コントロール
  4. コントロールの機能の違いによる種類
    1. テキストボックス
    2. ラベル
    3. ボタン
    4. コンボボック
    5. オプショングループ
    6. チェックボックス、オプションボタン

概要

ここではAccessのコントロールについて説明します。

コントロールとは、 フォームやレポートに配置し、 データを表示/入力したり制御するための要素(部品)のことです。

コントロールにはふたつの種類分けがあります。
ひとつ目はコントロールソースの違い、 ふたつ目は機能の違いです。
(コントロールソースとは、 そのコントロールに表示するテーブルやクエリのフィールドなどのことを言います。)
詳しくは「コントロールソース」を参照して下さい。

機能の違いとは, 単にデータを表示/入力するためのコントロールや文字列を表示するだけのコントロール、 四角や直線を表示するコントロールがあります。
機能が異なると、 そのコントロールに対する操作も異なってきます。

よく使用する(一般的な)プロパティ

コントロールプロパティはコントロールの種類によって独自のものを持つものもありますが、 ここではよく使用すると思われる一般的なプロパティを説明します。
なお、 コントロールの種類によってはここに記載したプロパティを持たないものもあります。

タブ 名称 説明
書式タブ 可視 そのコントロールを表示するか否かを指定します。
「はい」にするとそのコントロールを表示します。
「いいえ」にするとコントロールが配置されていても表示されません。

高さ
コントロールの大きさ(幅と高さ)を指定します。
指定は、 「cm(センチメートル)」で指定します。
「cm」の文字は入力しなくてもAccessが補完してくれます。
上位置
左位置
コントロールの配置位置を指定します。
位置の指定は、 そのコントロールがあるセクションの上からの位置と左からの位置を「cm(センチメートル)」で指定します。
「cm」の文字は入力しなくてもAccessが補完してくれます。
境界線スタイル
境界線幅
境界線色
コントロールの外周に表示する境界線の指定を行います。
フォント名
フォントサイズ
フォント太さ
文字を表示するコントロールの場合、 その文字のフォント名、フォントサイズ、フォント太さをプルダウンから選択します。
前景色 文字を表示するコントロールの場合、 その文字色を指定します。
背景スタイル 背景スタイルは「普通」または「透明」を選択します。
「普通」を選択すると、 そのコントロールの背景色は常に「背景色」で指定した色になります。
「透明」を選択すると、 そのコントロールがフォーカスを持っていない時は、 所属するセクションの背景色と同じになっていますが、 フォーカスを取得するとそのコントロールの背景色になります。
背景色 そのコントロールの背景色を指定します。
そのコントロールの背景色は「背景色スタイル」によって、 指定した背景色またはセクションの背景色に変わります。
上余白
下余白
左余白
右余白
文字を表示するコントロールの場合、 コントロールと文字のあいだの余白を指定します。
余白の指定によっては文字が隠れてしまうことがあるので注意が必要です。
データタブ コントロールソース そのコントロールに表示するテーブルまたはクエリ内のフィールドを指定します。
また、式を入力することもできます。
式入力の詳細は「演算コントロール」を参照して下さい。
フォームあるいはレポートのレコードソースに含まれているフィールドだけが指定できます。
規定値 新規レコードの場合に、そのコントロールに自動的に値を設定します。
フィールドの内容によって規定値が決まることが一般的なので、 通常はフォームのコントロールで規定値を指定せず、 テーブルのフィールド定義で規定値を設定します。
規定値を設定すると、 ユーザーがフォームを開いただけで何もせずフォームを閉じた場合でも、 規定値を設定したフィールドには値が入っているので新規レコードとして登録されるので注意が必要です。
使用可能 そのコントロールを、 ユーザーが使用できるのか否かを指定します。
「はい」を指定するとユーザーはそのコントロールを通常通り使用することができます。
「いいえ」を指定するとそのコントロールのデータやボタンコントロールの表示が薄くなり、 ユーザーは見ることができるだけで入力や変更、 ボタンコントロールの場合は操作ができなくなります。
編集ロック そのコントロールをユーザーがデータの内容を変更できるのか否かを指定します。
「はい」を指定するとユーザーはそのコントロールを通常通り使用することができます。
「いいえ」を指定するとそのコントロールへの入力や変更ができなくなります。
前項の「使用可能」と異なるのはデータの表示は薄くならず、 通常の表示になります。
なお、 ボタンコントロールに「編集ロック」のプロパティはありません。
その他タブ 名前 そのコントロールの名前を指定します。
「既存のフィールドの追加」でコントロールを追加した時はコントロールソースのフィールド名が自動的に設定されます。 (同じ名前が既に存在する時は「テキストnn」のような名前になります)
この名前はVBAやマクロそして「演算コントロール」で参照します。
Enterキー入力時動作 コントロールの入力中にEnterキーを押した場合の処理を指定します。
既定:「Enterキー入力後の動作」に従います。
フィールドに行を追加:改行して新しい行にカーソルが移動します。
タブストップ Enterキーやタブキーを押して次のコントロールに移動する際に、
「はい」が指定されている時はそのコントロールにカーソルが移動します。
「いいえ」が指定されているとそのコントロールは飛ばして次のコントロールに移動します。
移動する順序は「タブオーダー」の指定に従います。
IME入力モード そのコントロールがフォーカスを得た時のIMEのモードを指定します。
代表的なものだけを説明します。
  コントロールなし:モードは変化しません。
  オフ:半角英数字の入力モードに設定します
  ひらがな:ひらがな(漢字)の入力モードに設定します。

コントロールソースの違いによる種類

コントロールソースは、 そのコントロールのプロパティのデータタブ内にあるコントロールソースで指定します。

連結コントロール
テーブルやクエリのフィールドをコントロールソースとするコントロールを連結コントロールと呼びます。
連結コントロールのコントロールソースには、 そのフォームやレポートのレコードソースに含まれるフィールドを指定します。
つまり、 そのフォームやレポートのレコードソースに含まれないフィールドを指定することはできません。

非連結コントロール
コントロールソース持たないコントロールを非連結コントロールと呼びます。
そもそもラベルや線、四角形などのコントロールはプロパティにコントロールソースは持っていませんが、 プロパティにコントロールソースを持つテキストボックスなどのコントロールでも、 コントロールを指定しない場合は非連結コントロールと呼びます。

演算コントロール
コントロールソースに、 テーブルやクエリのフィールドを指定するのではなく、 式や関数を指定したコントロールを演算コントロールと呼びます。
一般的にはテキストボックスを演算コントロールとして利用します。

このコントロールは式の結果を表示しているので表示内容を変更することはできません。

コントロールソースを持つデータ型ならどれでも演算コントロールとして使用することができますが、 テキスト型以外のデータ型を演算コントロールにすると、 正常に動作しなくなったり意図した結果が得られなくなることがあります。

コントロールソースに式を指定するには先ず「イコール(=)」書き、 その後ろに式を書きます
式内のフィールドは「[]」でくくります。
式ビルダーを起動して式を入力するには、 コントロールソースボックスのビルドボタンビルドボタン) をクリックします。
なお、 ここで指定するフィールドはフォームやレポートのレコードソースに含まれるものだけが指定できます。

いくつかの式の例を下記に示します。(△は半角スペースを意味します)
式の中にコントロールソース内のフィールドを指定する場合は「[フィールド名]」のように[]でフィールド名をくくります。

式の記述 説      明
=[数量]*[単価] 数量と単価を乗じたもの、 つまり金額を表示します。
=[数量]*[単価]*0.9 本来の金額の1割引きの金額を表示します。
="演算コントロール" 常に「演算コントロール」の文字を表示します。
=[姓]△&△[名]

=[姓]△&△" "△&△[名]
姓名を定義する際に、 姓フィールドと名フィールドを分けて定義している場合、
姓フィールドと名フィールドを連結して表示します。
姓フィールドに「石川」、名フィールドに「五右衛門」が格納されている場合
1行目の式の結果は「石川五右衛門」となり、
2行目の式の結果は「石川 五右衛門」となります。
=left([郵便番号],3) 式には関数を使用することもできます。
この例では、 「123-4567」の形式で指定されている郵便番号の
先頭の3桁だけを表示します。
Accessでは膨大な数の関数を使用することができます。
ここで全ての関数の例を示すことはできませんので
「関数も指定できます」の例だけをあげておきます。

コントローの機能の違いによる種類

ここではコントロールの機能による種類について説明します。
コントロールはリボンのデザインタブから選択できるもの以外にも沢山の種類がありますが、 ここではリボンのデザインタブから選択できるもののうち、 よく使うと思われるものだけを説明します。

コントロールをフォームやレポートに貼り付けるには、 リボンのデザインタブから必要なコントロールを左クリックして、 フォームやレポートの貼り付けたい箇所で再度左クリックします。

フォームやレポートにコントロールを貼り付ける方法には他にも「既存フィールドの追加」を利用することもできます。
「既存フィールドの追加」を開いて必要なフィールドをフォームやレポートの貼り付けたい箇所までドラッグします。
リボンのコントロールを貼り付けた場合との違いは、 貼り付けた時点でコントロールソースが設定されていることです。

コントロールにはコントロールプロパティがあります。 ここではよく使用すると思われるものだけを記載しています。
コントロールプロパティはデザインタブの「プロパティシート」をクリックすると表示されます。
なお、 プロパティシートが表示されない場合は一度 「フォームのプロパティシートが開かない時の対処」 を試してください。

テキストボックス
コントロールソースで指定したテーブルやクエリのフィールドを表示したり、 そのフィールドに対するデータを入力するためのコントロールです。
コントロールソースに指定するデータ型は、 一般的には テキスト型メモ型 そして式になります。
また、 テキストボックスにはプロパティシートでハイパーリンクアドレスを設定することができます。

ラベル
簡単な文字列や説明を表示するコントロールでコントロールソースを持っていません。
デザインタブや「既存のフィールドの追加」でテキストボックスを追加すると、 そのコントロールのタイトルとして自動的にラベルが付加されます。
ラベルにはプロパティシートでハイパーリンクアドレスを設定することができます。

ボタン
マクロやVBAと結びつけてフォームやレポートを制御します。
コントロールプロパティ内の1

タブ 名称 説明
書式 配置 ボタンに表示する標題の表示位置を指定します。
中央、左、右などを指定することができます。
その他 ポイントした時のカーソル カーソルがボタンの上に来た時のカーソルポインターの形状を指定します。
「既定」と「ハイパーリンクの手」が指定できます。

コンボボックス
チェックボックスやオプションボタンを配置して関連付けます。

オプショングループ
チェックボックスやオプションボタンを配置して関連付けます。

チェックボックス、オプションボタン
チェックボックスやオプションボタンは「はい/いいえ」、「Yes/No」や「True/False」など二者択一の状態を表示するものです。
オプショングループ内に配置した場合は、 複数の選択肢の中からどれかひとつを「はい」に設定することができます。
つまり、 「はい」になっている選択肢以外をクリックして「はい」にすると、 もともと「はい」になっていた選択肢は自動的に「いいえ」に変わり、 そのオプショングループ内には「はい」の選択肢は常にひとつしか存在しないことになります。

オプショングループに所属しないチェックボックスやオプションボタンは、 複数の選択肢を選択することができます。
この場合はそのグループを四角などで囲めば視覚的にも紛らわしくないでしょう。

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