Accessにおけるテーブルオブジェクトとは、
データベースに格納するデータを保管するためのものです。
(以降、「オブジェクト」を省略して単に「テーブル」と呼びます)
データはすべてこのテーブルに保管され、
他の場所に保管されることはありません。
クエリオブジェクト、フォームオブジェクト、レポートオブジェクトなどはテーブルに保管したデータを操作するものです。
なのでテーブルが無いと他のオブジェクトは何もできません。
テーブルは表形式になっており、
行と列があります。
これは、
あとで勉強する「入出金一覧表の作成」で使用するデータを模式化したものです。
①が行(レコード)です。
上の例では、
「id」、「日付」、「入金額」と「出金額」の1組のデータの集まりがひとつのレコード(行)になります。
②が列になります。Accessのテーブルにおいてはこの列に特別な意味はなく、
テーブルを表形式で説明する場合の概念的なものです。
「id」、「日付」、「入金額」、「出金額」の各項目はフィールドと呼び、
その名称をフィールド名と呼びます。
テーブル内では、
あるレコードと他のレコードの関連はありません。
あとで勉強する「クエリ」などで関連付けることはできますが、
テーブルだけを扱っている時には他のレコードとの関連性はありません。
(リレーションシップで関連付けることができますがこれは後述します。)
また、
Excelのようにテーブル内のフィールドに関数を入力することはできません。
これはフォームやレポート内で関数を指定して処理することができるので必要ないのです。
Excelを知っている人なら「Excelと同じような画面だ」と思うかもしれませんが、
AccessのテーブルとExcelとは全く違うものです。
「Excelと同じような画面だ」との考え方を捨てなければAccessの勉強に支障がありますので今のうちにしっかり理解しておいてください。
Accessのテーブルは、
リレーショナルデータベースに属します。
リレーショナルデータベースは「Relational DataBase」と書き、
略して「RDB(アールデービー)」と呼ばれるものです。
リレーショナルデータベースはテーブル内の縦横のデータ毎に管理し、
複数のテーブルを関連付けることができるように開発されたものです。
先ほど「他のレコードとの関連性はありません」と書きましたが、
これは「テーブル単体の場合は」ということで、
「リエリ」や「リレーションシップ」を活用し関連付けることができます。
「クエリ」や「リレーションシップ」に関しては、
この講座を読み進めるうちに理解できるようにしています。
「すべてのAccess」を左クリックして表示したプルダウンから「すべてのAccessオブジェクト(A)」をクリックします。
左の画像のようにオブジェクトを操作するための画面が表示されます。
今回は「すべてのAccess」を選択したため全てのオブジェクトが表示されています。
「すべてのAccess」を左クリックして「テーブル(B)」を選択するとテーブルオブジェクトだけが表示されます。
テーブルオブジェクトの操作はこの画面から始めます。
デザインビュー
名前の通りテーブルのデザインを編集するビューのことです。
このビューでフィールドの追加や削除、フィールドオプションの設定を行います。
データシートビュー
テーブルにデータを格納したり削除するためのビューです。
「データベースオプションのデータシートビューでテーブルのデザインを変更できるようにする」にチェックが入っている時は、
このビューでテーブルのデザインを変更することができます。
テーブルにはこれ以外にもビューがありますが、 この講座ではデザインビューとデータシートビューだけを扱います。
「作成タブ」をクリックして開き、
「テーブル」または「テーブルデザイン」をクリックします。
「テーブル」をクリック:新規テーブルをデータシートビューで開く
「テーブルデザイン」をクリック:新規テーブルをデザインビューで開く
今回は「テーブルデザイン」をクリックして新規テーブルをデザインビューで開きます。
「テーブル1」という名称はAccessが自動的に付けた名称です。
赤い四角で囲んだ部分で右クリックすると、ビューの変更や閉じるなどの操作ができます。
中央付近にフィールドリストが表示されています。
ここでフィールド名、データ型、説明の順にフィールドの定義を行います。
テーブルを表形式の模式図で説明した時には、 レコード内のフィールドは横一列に表示されていますが、 このフィールドリストでは縦に並んでいるので注意してください。
テーブルの新規作成時に、
フィールドが何も定義されていないと「閉じる」の操作を行ってもテーブルを保存せずに作成作業を終了してしまいますので、
1件だけフィールドを定義します。
この講座では、
テーブル作成時には必ず主キーを定義しますので、
テーブルの新規作成時には先ず主キーフィールドを下記の要領で定義します。
(主キーの詳細については「Accessのデータ型」で詳しく説明していますので参照して下さい。)
1行目のフィールド(主キーフィールド)の定義を行います。
フィールド名 = 「id」 (この講座では主キーフィールドの名称は「id」で統一します)
データ型 = 「オートナンバー型」
説明 = 「主キー」
結果はこのようになります。
今回はここで一度閉じることにします。
右上の「X」をクリックするか、
赤い四角の中で右クリックして「閉じる(C)」をクリックしてテーブルを閉じます。
このような保存確認ウィザードが表示されますので「はい(Y)」をクリックします。
テーブル名を指定して「OK」をクリックします。
テーブル名は何でも良いのですが今回は「テーブル1」のままで保存します。
テーブル名に関する注意事項
テーブル名には記号を使用せずに半角英数字および全角文字だけを使用して下さい。
記号を使用すると思わぬトラブルが発生する可能性があります。
このように主キー設定確認ウィザードが表示されますので「はい(Y)」をクリックします。
主キーの設定については「Accessのデータ型」を参照して下さい。
これでテーブルの新規作成操作は完了です。
他の必要なフィールドは「テーブルの修正」の操作で登録します。
修正したいテーブル名を右クリックしてデザインビューを選択し、 テーブルをデザインビューで開きます。
ここでは「テーブルの新規作成(定義)」で作成した「テーブル1」を例にします
フィールドを追加する場合は新しい空の行で「フィールド名」、「データ型」、「説明」の順に定義します。
フィールドの修正を行なう場合は「フィールド名」、「データ型」、「説明」の内のどれかあるいは必要な箇所を変更します。
フィールドの定義順の変更や新しいフィールドを既存フィールドの間に挿入することもできます。
これは定義済みのフィールドで右クリックして表示されるメニューを使用して行います。
上の画像内の赤い矢印で指された赤の四角の中で右クリックしてメニューを表示すると行のコピーや貼り付け、
行の挿入や削除を行なうことができます。
また、
この箇所を左クリックしたままドラッグするとフィールドの順序を変更することができます。
テーブルをデザインビューやデータシートビューで開いているときは削除や名前の変更はできないので、 フィールドリストのテーブル名称の部分を右クリックして「閉じる(C)」をクリックして閉じます。
テーブルを閉じた後、テーブル名を右クリックして表示されるプルダウンから「削除(L)」や「名前の変更(M)」を選択して、 削除や名前の変更を行います。
オブジェクト(この場合はテーブル)の一覧を表示している領域を「ナビゲーションウィンドウ」と呼びます。